ソラノートというUSTREAMを使用した番組提供をしている会社があります。その中継をしているそらのさんはネット界隈で大変に著名で、過去にはソフトバンクの光の道に関する討論を中継するなどといった実績を持っています。そこがTwitter上で発生した論争について、一方の関係者のみを呼んで、一方的に話をさせ、挙句開かれた場を用意しているんだからこっちに来て話せという発言までしてしまうという事態を引き起こしました。
「francesco3氏」と「めがねおう氏」の炎上ツイートまとめ
この行為自体の是非については各方面で語られているのでここでは詳細を割愛しまして、論点を事後対応にもって行きたいと思います。今回のケースは、サポートを理解した人がいないことによる典型的な問題拡大事例であるため、実際にどうしたらよかったのかを検討することは、今後同じような事態を引き起こさないために必要な提言と考えております。
まず、やってしまったことは取り返しがつかないので、いかにベターな方向へ持っていくか、これがこうした事態が発生したときにサポートエンジニアが考える思考回路になります。サポート専任でやっている人は過去の同様事例を経験したり、勉強したり、情報交換したりしていますので、今回の件では直感的に翌日までにすべきこととして以下のような対応を思いつきます。
・そらのさんのツイートを一時止めさせる
・会社として今回の件を重大事態であると認識していることをニュースリリースとして社長名ですぐに出す
・会社として被害者側へ一度お会いしてきちんと謝罪したい旨をメールで連絡すると同時にアーカイブの公開継続是非について意向をお伺いする
アーカイブについては被害者側の考えによって変わります。「アーカイブをすぐに止めてこれ以上被害が広がらないようにして欲しい」という方もいれば、「自分が被害を受けた証拠となるので広く見てもらうためにも公開を続けるべきだ」という正反対の考え方を持つ人もいらっしゃるのです。そこで、ここは会う前にどうするのか、意向を聴きます。
今回のケースですとおそらく被害者の方は会ってくださると思うので、会うまでの間に対応策を検討します。ここで持っていく回答は1つではなく複数用意する必要があります。それを口頭ベースで打診し、協議を行うのです。もちろん、一回目ですぐに答えが出そうとしてはだめです。2度3度と足を運ぶことは十分ありえることを想定しましょう。金銭的な補償を求められることもあれば、謝罪に出向いたことで許していただけるケースもあるので、それはケースバイケースですが、交渉をする際にはじめから金銭補償をほのめかすのは却って相手の態度を強硬にしてしまう可能性もあるのでよくありません。その上でどのように発表するのかまで含めてきちんと協議をして、それを文章にしてまとめておきます。
サポートエンジニアがいれば今回のような事態まで至らなかった、と思うとやはりIT企業にサポート専任担当者がいないというのは危険なことだと改めて思います。
3/8 0:50追記
そらの的あさのニュース 2.3.11というアーカイブがあったのですが見られなくなっています。現在の状況を鑑みるに被害者側はそれを求めているかどうかすらまだ判らない状況ですが、非公開になりました。上にも書いたように非公開にすることが被害者の権利回復につながるという考えとは正反対に公開していることこそが権利回復になるという考え方もあるのです。それを確認せずに非公開としてしまったようにしか見えません。ますます問題はこじれるのではないでしょうか