さだまさし原作の「解夏」をようやく観に行ってきました。ネットで検索するとこの作品に対しては、賛否両論渦巻いているようですね。私は素直に感動しました。
この物語は、市井の人が平凡な人生を少しずつ失っていくことに対する葛藤やその心の動きに共感したときに涙が出てくるのだと思います。いろいろ細工を凝らして泣けるシーンをつくったわけではなく、リアルな日常生活を淡々と描くことに徹しています。そのため、映像技術の巧みさやストーリーの緻密さを求めた人には「日常生活を淡々と観せるだけでラストに行くなんて」という印象を与えてしまい、かなり凡庸な映画に見えたのではないかと思います。
一方、多くの人が涙しているのはリアルな日常を描いたことから自分の今の生活が脅かさせる恐怖を想起させて、自分にオーバーラップさせているからかも知れません。ラストシーンは本当に涙するものでした。
もうすぐ映画は終わりのようです。平凡な人生の大切さをかみしめたい人にはお奨めできます。